【築100年の蔵をDIY】棚撤去と蜜蠟ワックス仕上げ、床に絨毯マット施工

築100年の蔵をDIYで再生するシリーズ、第5回。

これまで床を張り、空間を整えてきましたが、今回はまず、不要な棚を撤去することから始めました。
足す前に、余分なものを取り除く。そのひと手間が、空間の空気を変えていきます。
長年使われてきた棚を外し、残した棚には蜜蠟ワックスを塗り込み、そして床に絨毯マットを敷きつめる。

派手な変化ではありません。けれど、蔵の空気がゆっくりと変わった一日でした。
農閑期の今だからこそ向き合える、蔵との静かな時間の記録です。

不要な棚を撤去する|空間を整える第一歩

撤去前
撤去後

長年取り付けられていた棚。

物を置くには便利でしたが、これからの蔵の使い方を考えると、どうもしっくりこない。

高さも中途半端で、空間を分断しているようにも感じていました。

取り付けられた時代は、まだビスが一般的ではなかった頃。固定はすべて釘でした。

釘抜きとトンカチを手に、一本ずつ外していく。
錆びついた釘は簡単には抜けず、力を込めるたびに木がきしむ。
思っていた以上に時間がかかりました。

小さな棚ではありましたが、長いあいだこの蔵を支えてきた存在です。
最後の一本を抜いたとき、「よくここまで持ってくれたな」と、自然とそんな気持ちがこみ上げました。

不要になったとはいえ、役目を果たしてくれたことへの感謝。
棚を外したあと、しばらくその跡を眺めていました。

残した棚に蜜蠟ワックスを塗布|木の表情が変わる瞬間

塗布前
蜜蝋ワックス
塗布後

撤去した棚の跡をしばらく眺めたあと、今度は残すと決めた棚に向き合いました。

正直に言えば、最初はこのまま使うつもりでした。
まだ十分使える。わざわざ手をかけなくてもいいと思っていた。
けれど、床を張り、空間が少しずつ整ってくると、この棚だけがどこか取り残されているように見えてきました。

せっかくここまでやったのなら、きれいにしてやろう。
そう思ったのが、きっかけです。

選んだのは蜜蠟ワックス。

派手な艶はいらない。ただ、この棚がもう少し気持ちよく使えるように。
ウエスに少量取り、木目に沿ってゆっくりと塗り込んでいく。
最初は大きな変化はない。でも、塗り進めるうちに色が深まり、白っぽかった木が落ち着いた飴色へと変わっていく。木目が浮かび上がり、手触りもやわらぐ。

同じ棚なのに、どこか誇らしげに見えるから不思議です。
壊すのではなく、整える。

蔵の再生は、そんな積み重ねなのだと、あらためて感じた時間でした。

床に絨毯マットを敷く|“作業場”から“居られる場所”へ

絨毯マット施工前
絨毯マット施工後

棚を整えたあと、最後に手を入れたのが床でした。板を張ったままでも使えます。
けれど、このままだと継ぎ目が目立ち、どこか落ち着かない。
いずれは何か施そうと思っていました。
フロアマットを敷くか、もうひと工夫するか。

そんなことを考えていたとき、家に絨毯マットがあることを思い出しました。
まずはそれを使ってみよう。特別なものではありません。新しく買ったわけでもない。

一枚ずつ並べていくと、蔵の雰囲気がゆっくり変わっていきました。
継ぎ目が目立たなくなり、足音がやわらぐ。板の冷たさが消え、少しだけ温もりが加わる。

大げさな改装ではありません。

けれど、作業場だった空間が、“人が居られる場所”に近づいたと感じました。

母が「怖くて入れない」と言ったあの蔵も、今は少し安心して立てる場所になっているかもしれません。

あるもので整える。それもまた、蔵の再生のひとつだと思っています。

少しずつ変わる蔵|DIY再生の現在地

棚撤去
棚に蜜蠟ワックスがけ
絨毯マット施工

不要な棚を撤去し、残した棚に蜜蠟ワックスを塗り、床には絨毯マットを敷きました。どれも大きな工事ではありません。

けれど、蔵の空気は確実に変わっています。

壊して新しくするのではなく、残せるものは残し、手をかけながら整えていく。
その積み重ねが、この蔵の再生につながっているのだと思います。

まだ完成ではありません。

けれど、「怖くて入れない」と言われた蔵が、今は静かに人を迎えられる場所へと近づいています。次は、この空間をどう使っていくか。

蔵の再生は、もう少し続きます。

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