築百年の蔵 おかんの一言からはじまった|正直、ここまでとは思わんかった

蔵の床の状態を見るために、まず中にあった物をすべて外に出すことにした。
埃をかぶった道具や箱を手に取るたび、この蔵が重ねてきた時間を感じながらの作業
正直、この時点では、ここまでとは思っていなかった。

蔵の中を、いったん全部出す

長年置いたままになっていた物を、一つずつ蔵の外へ運び出していった。
箱の中には、ネズミにかじられてボロボロになったものも多く、時間の経過を否応なく感じさせられた。

一方で、子どものころに使っていた食器が出てきて、思わず手を止めて懐かしく眺める場面もあった。
床を見るまでに、思っていた以上に手間と時間がかかった。

床が見えた瞬間、言葉が出んかった

中の物がすべてなくなり、床がはっきり見えた。
まず目に入ったのは、ところどころ抜け落ちた床板と、黒く変色し、今にも崩れそうな部分やった。

踏み込むと、ギシッと音が鳴り、沈み込む感覚が伝わってくる。
板というより、もう床としての役目を果たしていない場所もあった。

湿気のせいか、触るとボロッと崩れる木もあり、長い間、この状態のまま使われてきたことがはっきり分かった。

これまで見て見ぬふりをしてきた現実を、まとめて突きつけられた気がした。

床をめくって、どうするか決める

床板をめくってみると、基礎まわりも含め、想像していた以上に傷みが進んでいた。
木が残っているように見えても、触ると崩れ、形だけが残っている状態のところが多かった。

特に驚いたのが、大引きやった。四本の大引きは石の上に乗せられているだけで、しかも木の中身はスカスカ。
叩くと軽い音がして、もう構造材としては役目を果たしていないと感じた。

正直、造り自体はとてもシンプルやった。
それでも、この造りで、ここまでよく持っていたなという気持ちが先にきた。

長い年月の中で、だましだまし使われ、その都度手を入れながら残ってきた蔵なんやと思う。
この状態を見て、上から床を張り替えるだけでは無理やと、はっきり分かった。

今回は、ここまで。
次は、何もなくなった蔵。さて、どうする。

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